VLAN -トランクリンクを通常のNICで利用する-

前回ポートVLANについて解説しました。通常、PCが接続されるポートはアクセスリンクに設定され、これによりVLANを意識する必要が無いということも説明しました。 - [VLAN -ポートVLAN-](http://wp.me/ppLz9-vc) 今回はトランクリンクをスイッチ間の接続以外で積極的に使うケースについて解説します。 トランクリンクを使えば、VLANタグを利用して複数のVLANに対して通信を行うことができます。あまり利用されませんが、IEEE802.1Qで標準化されていますので通常のPCでもこれを利用することができます。 上記の図で言えば、PC1はNIC側でVLAN IDを指定することで両方に足を出すことができます。この設定はNICの詳細設定で行えます。今日ではたいていのNICでは設定が行えるはずです。 目的のNICのプロパティを表示します。 VLANが使用できるようにします。 規定ではVLANが設定されていません。テストで作成します。 VLAN IDとして2,3,4を作成したところです。 元々のNICは無効化され、それぞれのVLAN IDに対応したNICが生成されました。まるでNICが3つあり、それぞれ別のセグメントに足を出しているように設定、使用できます。ですが実際には1つのNICであり、1つのリンクであり、その中をVLANタグが有効なフレームが流れることになります。この時、接続先のスイッチはVLANタグを解釈するためにトランクリンクに接続されている必要があります。 図で表すと以下の様な感じです。 物理的な接続 論理的な接続 ※この時VLAN 2,3,4はそれぞれ別のネットワーク、別のセグメントが想定されます。 このような設定は通常のPCではほぼ行われることはありませんが、仮想化の話になってくると頻繁に使われることになりますのでしっかりと抑えておく必要があります。

April 17, 2013 · 1 min · 胡田昌彦

VLAN -ポートVLAN-

VLANという技術があります。これはTCP/IPのレイヤ2に対する技術です。ある程度以上の規模のネットワークになるとVLANを使用していないネットワークはほぼ皆無になると思います。実際のネットワーク構築時には理解していることがほぼ必須になるのでよく理解しておく必要があります。自分の役割がサーバー管理者であり、ネットワーク管理者が別にいるとしても概念はきちんと抑えておかないといけません。 まず、前提知識としてレイヤ2のことを理解しておく必要があります。 - [レイヤ2 –データリンク層- 宛先はMACアドレス](https://windowsadmin.ebisuda.net/2009/02/12/%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%a42-%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e5%b1%a4-%e5%ae%9b%e5%85%88%e3%81%afmac%e3%82%a2%e3%83%89%e3%83%ac%e3%82%b9/) - [レイヤ2 -データリンク層- スイッチングハブの動作](https://windowsadmin.ebisuda.net/2009/02/18/%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%a42-%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e5%b1%a4-%e3%82%b9%e3%82%a4%e3%83%83%e3%83%81%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%8f%e3%83%96%e3%81%ae%e5%8b%95%e4%bd%9c/) スイッチングハブの動作の説明で、スイッチングハブのおかげでホストが受け取るパケットは基本的に以下のものだけだ…という話をしました。 - 自分(のNIC)宛のフレーム - ブロードキャストやマルチキャストなどの明示的に届けられるもの 自分宛のフレームは受け取るのは当たり前としても、ネットワークにホスト数が非常に多くなり、ブロードキャストやマルチキャストなどが多数飛び交うようになるとやはりネットワークのパフォーマンスが悪くなってしまいます。ブロードキャストが騒がしい環境では自分は何も通信していないのにパケットキャプチャを行うと沢山のパケットが見えます。すべてのパケットを「自分宛ではない」と判断して捨てることになるのでかなりの無駄が発生してしまいます。これを避けるためにはどうすればいいか・・・?というと、スイッチを分割すれば良いことになります。 上の図のような状態を下の図のような状態に分割すればブロードキャストの届くホストの数は半分になります。 もちろん単純にこれだけだとPC1~4とPC5~8の間での通信ができなくなってしまうので、間をルーターでつないだ上で、更にネットワークアドレスをそれぞれで変更する必要が出てきます。具体的には以下のような感じです。 ルーターを使ってネットワークを分けた、という言い方でもいいかもしれません。これでお互いに通信できつつ、ブロードキャストの届く範囲(=ブロードキャストドメイン)を分割しネットワークの混雑を緩和できます。 ですが、分割するのに、物理的にスイッチを用意して、接続を繋ぎ変えて…とやるのはさすがに面倒ですよね。なので、VLANがここで登場します。 ポートVLAN コンピューターがつながっているポート単位でVLANを設定し、同一のVLAN番号であれば同じスイッチにつながっているのと同じように設定する技術がポートVLANです。前に出てきた例をポートVLANで行うと以下のようになります。 スイッチのポートにVLAN番号を割り当てました。物理的にスイッチを分割しなくても、スイッチの設定を変更するだけで所属するセグメントを変更可能で非常に便利です。 アクセスリンクとトランクリンク さらに、VLANの仕様はIEEE802.1Qで標準化されており、複数ベンダーの複数スイッチをまたがってVLANタグの共有が可能です。例えば下図の様に複数のスイッチにまたがって自由にポート毎にVLANを割り当てることができます。 この時、それぞれのPCがつながっているスイッチのポートは単一のVLANにのみ所属していればいいわけですが、スイッチ同士をつないでいるポートに関してはそういうわけにはいかず、流れているパケットがVLAN1に所属するものなのか、VLAN2に所属するものなのかがわかるようにしないといけません。これが行えるのが「トランクリンク」で、トランクリンクではイーサネットフレームに対してVLANタグ番号を追加した「タグVLAN」方式のフレームが流れることになります。 これと区別して通常のPCが接続されるVLANを意識しない通常のフレームが流れるポートのことを「アクセスリンク」と呼びます。 ※アクセスリンクになっているポートのことを「アクセスポート」、トランクリンクになっているポートのことを「トランクポート」とも呼ぶようです。 このあたりがポートVLANの基本です。

April 16, 2013 · 1 min · 胡田昌彦