AWS OutpostsとAzure Stackの比較

AWS Outpostsの発表はずいぶん前(re:invent 2018)になされ、私もブログでも言及していました https://cloud.ebisuda.net/aws-outposts%E3%81%A8microsoft-azure-stack%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%97%E3%81%A6%E6%9C%AC%E8%B3%AA%E7%9A%84%E3%81%AB%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E3%81%A0%E3%81%A8%E6%80%9D%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/ まだOutpostsは市場には登場していませんが、Youtube上で解説動画が見られることを教えてもらいました。 https://youtu.be/Cnn3BYsE6ug?fbclid=IwAR0FbjkR0wjh3lIUMPbMm9zqeJwV1mO4RzkRIPAZH3nEZEhht1yJ-whPjm4 このような形でしっかりと解説を聞くのは初めてだったので、聞きながらTwitterで感想をつぶやいてみました。 AWS OutpostsとAzure Stack - Togetter Outpostsが予定どおり出荷されて(2019年後半を予定)、オンプレミスでも「クラウド」を利用する機運が高まってくれると良いなとあらためて思います。

May 9, 2019 · 1 min · 胡田昌彦

AWS OutpostsとMicrosoft Azure Stackに関して本質的に大事だと思うこと

AWS Outpostsが発表され、Microsoft Azure Stackとの比較論が出ていたりもします。どちらがいいか…を直接比較…とか比較するのはちょっと違う…とかいろいろ話も意見もありますが、そんなことよりもずっと本質的に大事だと私が思っていることがあります。それは「そのインフラが設計、構築、維持運用されるためにどれだけのコストが払われているのか」ということが大事なんじゃないかということです。 私はインフラエンジニアとして単一システムのための個別の環境を構築したり、統合仮想基盤を構築したりした経験があるのでよくわかっているつもりなのですが、「個別にものすごい労力を割いてシステム、プラットフォームを構築、維持管理している」状況があちこちにあります。そして個別最適化されているので知識の属人化が進み下記のような状況が当たり前のようにあります。 - XXさんじゃないとどうなっているかわからない - システムに変更加えようと思うとどこで何が起きるかわからない - 変更加えるためには徹底的なテストが必要 - でもそもそも全く同じテスト環境は構築できない - 『触らぬ神に祟りなし』なので何も更新しない - 脆弱性があっても修正しない - パッチ当てるにしても人間が一つづつ手作業で目視確認しながら作業する - プラットフォームが古いので新しいOS等に更新もできない - でも、よく考えると単に仮想基盤があって仮想マシンが動いているだけ… - 個別に最適化してしまっているので他社で培われたノウハウも展開できない 結果、あるシステム、プラットフォームにかかっている「コスト」はものすごいことになっているケースが多いです。それはハードウェアの話もありますが、むしろ人的コスト、消費されている時間の方が圧倒的に「やばい」と思っています。 一方、パブリッククラウドに目を向けると…、かなりの部分が隠蔽されているので不明な部分も大きいですが下記のような状況があります。 - 一般的なオンプレミスのシステムの規模は比較にならないような圧倒的なスケールで標準化されている(はず) - 通常のオペレーションも大規模に自動化されてなされている(はず) - セキュリティ対策も一般的なオンプレミスの環境とは比較にならないレベルで徹底、統一化されている(はず) - 世界トップのエンジニアたちのノウハウが投入され続けている - 最新のサービスを提供するように更新され続ける 例えば同じスペックの仮想マシンを1台動かすことを考えます。そのときにその基盤となる環境にかかっている人的コスト、消費されている時間はオンプレミスの方がパブリッククラウドの何倍、何百倍、何千倍、下手したら何万倍のオーダーでかかっているだろうと思います。1人のエンジニアが何台動かせる基盤の面倒を見ているか、何人が使えるシステムの面倒をみているかという尺度でも良いと思いますが、正しいデータが出せずに申し訳ないですがもう圧倒的であることは火を見るよりも明らかです。 かけたコストの分だけオンプレミスのシステムにて特別な差別要素のあることをしているなら意味もあるのでしょうけれども、結局やっているのは「サーバーを塩漬けで動かしてます」という話だとそれって単純に貴重なリソースの無駄遣い…ですよね。 その観点からすると、「差別化する必要があるものに関してはオンプレミスで自分たちで手をかけてやる」「差別化する要素がない部分はもっともコストが低いコモディティ化したもので良い」ということになります。 で、やっとAWS OutpostsやMicrosoft Azure Stackの話になるのですがこれらは究極的に「標準化」されているものなんです。個別に設計するのではなく世界規模で標準化されています。そしてパブリッククラウドのノウハウで標準化されているんです。更新だって勝手にやってくれたり、ボタン一発だったりします。テンプレートやコードだって世界で共通のものが動いちゃいます。これってインフラ構築で個別に苦労したことのあるエンジニアがみんな思う「共通化できたらみんな幸せになるのに」というシステムの1つの形だと思います。それを個別の組織レベルではなく、世界規模で行っているわけです。 そして、どのくらい時間がかかるかはわかりませんが「そういえば昔は個別に基盤構築していたよね」という時代が来ると私は確信しています。それはコンピューター製造に共通企画がなかった所から共通規格ができたように。標準的な通信プロトコルがなくて独自プロトコルが乱立していたところから共通規格ができたように。もちろんニッチな所、本質的に標準化できないところではそれはいつまでも残るのですが「全部まかせといていいよね」という話になります。これは「クラウド時代に「買って済ますべきもの」と「自分たちですべきもの」 | Microsoft Cloud Administrators」で書いたことと基本的に同じ考え方です。 結局何が言いたいのかというと、「自分たちでいちいち個別にプラットフォームを構築、維持管理する必要が本当にあるのですか?よく考えたほうが良いですよ」ということです。そうだね、って気がついた人はパブリッククラウドを利用するのでしょうし、どうしてもオンプレミスという場所にシステムを置く必要があるのであればOutpostsやAzure Stackを利用するようになっていくと思います。むしろそうならなければ行けないと思っています。 とはいえ、Outpostsが登場するのはまだ先ですし、Azure Stackも(組織サイズが大きくないと)値段が高すぎるし…ということでまだまだだと言うことには現時点では同意します。でも、きちんと先をみて、「世界標準のプラットフォームへの対応」を組織としても、エンジニアのスキルセットとしてもしておくべきだと強く思うところです。 この文脈においてOutpostsもすごく人気がでて普及してほしいですし、私が個人的に多くの時間を投資しているAzure Stackの普及も進んでほしいと思っています。「個別の無駄な苦労」はしなくて済むならそれでいいと思うのです。 #ちょっと極論を強い口調で書きすぎたかもしれません。気分を害された方ごめんなさい。

December 18, 2018 · 1 min · 胡田昌彦