パーティションの分割方法

今回の話題はパーティションの分割方法に関してです。インストールの際に出てくる以下の画面のお話です。 今回の話題は特にクライアントPCでHDDが1つしか搭載されていないものに関して当てはまる話です。企業のクライアントPCでもまだまだこのようなケースは多いかと思います。 (※注意)サーバーに関しては昨今はかなり仮想化が進んでおり、RAIDシステムはもとよりSAN環境も当たり前ですし、その上でさらにHW,SWを絡めた仮想化がなされていることが多く今回の話はあまり当てはまりません。この辺りに関しては別エントリで解説予定です。 分割のメリット パーティションを分割することのメリットには主に以下のようなものがあります。 システムとデータの分離 システム復旧(OS再インストール、イメージ流し込み)の際に、データをそのまま保持できる。 システムイメージのバックアップおよびイメージ取得時の容量を小さく、時間を短くできる。 データが肥大化する際に(特に自動的に生成されるログ等)その影響をシステムに与えないようにできる。 どちらかのパーティションが不整合な状態になった際に、別のパーティションへ影響を与えない可能性がある。 別システムとの共存 1つのDisk内に複数のOSを導入したい場合にはパーティションを区切る方が管理が容易になる。複数のOSで異なるファイルシステムを利用する場合にはパーティションの分割が必須となる。 フラグメントへの影響 ファイルを頻繁に書き換え無いパーティション(具体的にはシステムパーティション)と頻繁に書き換えるパーティションを分割しておくことにより、ファイルのフラグメントの影響がシステムパーティションに波及しづらくすることができる。 分割のデメリット パーティションを分割することのデメリットとしては主に以下のようなものがあります。 HDD容量の有効活用 複数のパーティションに分割することで、空き容量が分割され、それによってHDD容量を最大限に利用できない。(特にHDD容量が不足しがちな環境で) 意図に反するデータ配置 特定のドライブレター(特にC)でないとうまく動作しないようなソフトウェアが存在した場合にルールが崩れる可能性がある。 容量見積もりが困難 Windows Update,復元ポイント等でシステムが肥大化する、またその容量を完全に見積もることができない。 エンドユーザーの知識レベルによる影響 パーティション分割の意味を理解していないエンドユーザーがメリットを享受できず、逆に不利益となるケースがある。 構成変更が困難 万が一容量見積もりに失敗し、特定のパーティションの空き容量が不足してしまったが、Disk全体としては空き容量が余っている、というような場合に、パーティションサイズの変更が非常に困難。専用のソフトウェアを購入したりする必要がある。 その他のトピック FATからNTFSにファイルシステムが変化したことによる影響 1パーティションの最大値の制限があり、パーティションを分割せざるを得ないケースがあったが、NTFSではそれがなくなった。 パーティションを分割しないと、小さなファイルを多数保管する際の効率が良くないという問題があったが、NTFSでは改善された。 余談 私自身は、自分が個人的に使っているPCでは昔はパーティション分割を当たり前に行っていましたが、最近はパーティションの分割は行わなくなりました。私の場合にはすぐに容量を使い切ってしまうので「空き容量の確保」という点が一番のポイントですが、パーティションを分割して云々するよりも、Diskが安くなってきたからDisk自体を別のものにしてしまえばよい、というのも大きかったりします。 仕事上では以前、以下のような仕組みを提案、実装したことがあります。(HDDは1つだけ搭載しているPCでした。) パーティションは2つに分ける。(システム用とデータ用) Cドライブにはシステム関連ファイルのみを配置する。 データはすべてDドライブに配置する。 ユーザーのプロファイルデータもDドライブに配置する(参考:[HOW TO] ユーザー プロファイルとプログラム設定のデフォルトの場所を変更する方法) システムパーティションの内容はGhostを使用してイメージ化。 もしもシステム的に不具合が起きればCDまたはファイルサーバー上のイメージからシステムパーティションのみ自動リストア このようにしておけば、もしもシステムが不安定になったりしても、システム復旧用のCDを1枚渡して、「これを入れてPCを起動して」と言っておけばOSとしてはクリーンな状態に戻ります。これを実際に適用しているお客さんではかなり快適に運用できているそうです。 ただ、これを実装するに当たっては1つ大きな問題がありました。 特定ベンダが作成したカスタムアプリケーションが、該当PCでは正常に動作しない というものです。Dドライブにプロファイルを変更している所が原因だろうとあたりをつけて、プロファイルの場所をCドライブだと決め打ちしている場所がないかどうか確認したのですが、「それはない」という回答でした。ですので、このときはかなり困ってしまった…というのが正直なところでした。 この際は、暫定的な回避策として「Cドライブにプロファイルの残っているAdministratorアカウント(このアカウントなら実行できた)として実行させるランチャーをラッパーとして使ってもらう」という方法でしばらく逃げました。 ですが、後から原因が判明したところでは、やはりプログラム内でユーザープロファイルの場所をCドライブだと決め打ちしているところがあったそうです・・・。(^^; このようなことがありましたよ、ということで参考にしてもらえればと思います。

November 17, 2008 · 1 min · 胡田昌彦

ファイルシステムの選択

今回はファイルシステムの選択に関しての話です。インストールの最中に以下のように聞かれます。 NTFSかFATか NTFSかFATか、という選択に関しては**迷うことなく「NTFS」**を選択すれば間違いありません。その理由としては「NTFSの方があらゆる面で高機能だから」ということになります。具体的に機能の比較表を見てみましょう。以下の評価Webサイトのあちこちから情報を拾ってきてつくった表です。(参考:ファイル システム) 全ての面でNTFSが優れていて、FATを積極的に選ぶ理由がないことが理解してもらえると思います。その中でも特に重要なのは以下のあたりだと思います。 最大ファイルサイズ FAT16, 32の4GBというのは今となっては小さすぎます。特にサーバーシステムでDBを利用するようなものに関しては1ファイルのサイズは4GBどころではなく、10GB、100GBなどというサイズも当たり前にあり得ます。 最大パーティションサイズ こちらもFAT16, FAT32では4GB、2TBとなっており今となっては小さすぎます。 ローカルセキュリティ機能の組み込み これはつまりファイルやフォルダに対してアクセス権を設定できるということです。具体的にはファイルやフォルダのプロパティを開いたときの「セキュリティ」タブの有無ですね。昨今のシステムでセキュリティ設定ができないなんてありえませんので、これは非常に重要なことです。 ちなみにこれはファイルシステムとしてのセキュリティ機能であり、共有フォルダのアクセス権とは別ですので、混同しないようにしましょう。 ローカル暗号化機能の組み込み これはつまりEFSが使えるかどうかということです。「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックを入れると暗号化できます。この設定を行わないと、物理的にPCにアクセスできれば事実上セキュリティ設定なんて意味がありませんので(詳細は別エントリで解説予定)、これも非常に重要な機能です。 FATをあえて選ぶのはどのような時か? FATよりもNTFSの方があらゆる面で優れているということは理解してもらえたと思いますが、ではファイルシステムとしてFATを選択するケースというのは存在しないのでしょうか?存在しないのならそもそも選択肢として用意されている意味がないのでは? もちろんFATを選択することになるケースも存在します。それはたとえば以下のようなケースです。 FATは扱えるがNTFSは扱えないOSからアクセスされる可能性があるとき。 デュアルブート環境 ブートディスクからの起動時 リムーバブルメディア 等 最近ですとLinuxからもNTFSの読み書きも行えますが、少し前は読むことはできても書くことはできないという状況がありました。WindowsとLinuxのデュアルブートにしつつ、データの受け渡し用のパーティションはあえてFATを選択するということを私自身していたことがあります。 他にもあえてFATを選ぶケースがありそうですが、ちょっと私には思いつきませんでした、そのくらいFATを選ぶケースというのは現状では稀だと思います。

November 17, 2008 · 1 min · 胡田昌彦