High Volume Email for M365に重要な仕様変更が!
High Volume Email for M365に重要な仕様変更が! この記事の内容 Microsoft 365の大量メール配信サービス「High Volume Email(HVE)」に複数の仕様変更が発表されました 基本認証(Basic Authentication)のサポートが2028年9月まで継続されることが明確化されました 外部受信者への送信サポートが2025年6月末に終了し、HVEは内部受信者専用サービスとなります 外部への大量メール送信には「Azure Communication Services for Email」の利用が推奨されます プレビュー期間中の制限が緩和され、アカウント数や内部送信レートが大幅に引き上げられました HVE(High Volume Email)とは Microsoft 365には、大量のメールを効率的に配信するためのサービス「High Volume Email(HVE)」が存在します。組織内の受信者に対して、通常の送信レート制限(Recipient Rate Limits)の影響を受けずに大量のメールを送信できる機能です。 全社員への一斉通知など、内部向けの大量メール配信に課題を抱えている組織にとって、有力な解決策となるサービスです。2024年4月1日にパブリックプレビューが開始され、2025年9月の一般提供(GA)が予定されています。 今回はそのプレビュー期間中に発表された、いくつかの重要な仕様変更について解説します。 変更点1:基本認証のサポートを2028年9月まで継続 最初の変更点は、基本認証(Basic Authentication)のサポートが2028年9月まで継続されることです。 基本認証はIDとパスワードのみを使用するシンプルな認証方式ですが、セキュリティ上の脆弱性が指摘されています。Microsoftはより安全な先進認証(Modern Authentication)への移行を強く推奨しており、今回のサポート期間延長はあくまで移行が完了していない組織への猶予期間として捉えるべきです。 なぜ先進認証へ移行すべきか 先進認証への移行を推奨する理由は主に以下の3点です。 セキュリティの強化 ユーザー名とパスワードだけでなく、トークンベースの認証を利用するため、なりすましなどのリスクを大幅に低減できます。 柔軟なトークン管理 発行するトークンの有効期間を短く設定したり、問題が検出された際に即座に無効化(Revoke)したりすることが可能です。 条件付きアクセスの活用 ユーザー、場所、デバイスといった様々な条件に基づいてアクセスをきめ細かく制御する「条件付きアクセスポリシー」を適用でき、セキュリティをさらに向上させられます。 Exchange Onlineでの基本認証の無効化に関する移行手順は、公式ドキュメントで詳しく解説されています。サポート期限が明確になっている以上、早めに移行計画を立てることをお勧めします。 変更点2:送信先が内部受信者のみに限定 これまでのプレビュー版では外部受信者への送信も可能でしたが、仕様変更によりHVEは内部受信者へのメール送信に特化したサービスとなります。 外部受信者への送信サポートは、2025年6月末をもって終了する予定です。 外部への大量送信はどうすればよいか 外部受信者への大量メール送信にはMicrosoftが代替サービスとして推奨している「Azure Communication Services for Email」の利用を検討してください。 Azure Communication Servicesは、音声・ビデオ・チャット・SMS・メールといったコミュニケーション機能をアプリケーションに組み込むためのAPIを提供するサービス群です。Microsoft Teamsの基盤技術を個別に利用できるものと考えると分かりやすいでしょう。 このサービスを利用すれば、自前でSMTPサーバーを構築・運用する手間なく、APIを呼び出すだけで外部の受信者へ大量のメールを送信できます。送信制限やポート25番の問題を気にする必要もありません。 SendGridなど他のサードパーティ製メール配信サービスを利用する選択肢もあります。ただし、Azure上に仮想マシンを立ててSMTPサーバーを構築して外部へ送信するような構成は現在サポートされていないため、避けることをお勧めします。 変更点3:パブリックプレビューの制限が緩和 今回のアップデートに伴い、パブリックプレビュー期間中のいくつかの制限が緩和されました。 項目 変更前 変更後 作成可能なアカウント数 20アカウント 100アカウント 内部受信者のレートリミット 1日あたり10万件 無制限 外部受信者のレートリミット 1日あたり2,000件 0件(サポート終了) 内部向けの大量送信については実質的に制限がなくなり、より本番環境に近い条件で検証できるようになりました。 ...