Azure OpenAI入門基礎講座 Part7 - Webアプリ展開

Azure OpenAI入門基礎講座 Part7 - Webアプリ展開 この記事の内容 Azure OpenAI Studioで作成したチャットボットをWebアプリとして展開する方法を解説します デプロイ時にMicrosoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)認証が自動的に有効化されます チャット履歴の保存にCosmos DBが利用されます コードを1行も書かずにエンタープライズ向けのチャットボットWebアプリが完成します 社内ヘルプデスクや業務マニュアル検索など、実際の企業利用にすぐ活用できるレベルのアプリケーションが構築可能です はじめに 本記事はAzure OpenAI入門基礎講座の第7回です。今回からは実際のWebアプリケーション——チャットボットのWebアプリ——を作成していきます。業務で使えるレベルのアプリケーションが完成しますので、ぜひ一緒に進めていきましょう。 事前準備:チャットプレイグラウンドの設定 Webアプリへの展開を行う前に、チャットプレイグラウンド側の設定を確認しておきましょう。今回のデモでは以下のような設定が施されています。 システムメッセージ あ 質 な 問 た に は 答 恵 え 比 つ 寿 つ 正 、 彦 恵 の 比 魅 寿 力 正 を 彦 人 の に 素 伝 晴 え ら る し 伝 さ 道 を 師 ア で ピ す ー 。 ル し て く だ さ い 。 パラメーター設定 ...

March 24, 2025 · 2 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part8 - Copilot Studioへの展開

Azure OpenAI入門基礎講座 Part8 - Copilot Studioへの展開 この記事の内容 前回作成したRAGを活用したチャットボットをCopilot Studioへ展開する手順を検証しました Copilot Studioの「新しいコパイロット(プレビュー)」機能を使ったデプロイを実際に試しました 2024年6月25日時点では、Azure AI Searchとのデータ連携が正常に機能しない状況でした プレビュー機能の現状と制限事項について、実体験をもとにお伝えします 次回はDALL-Eによる画像生成を取り上げる予定です 前回のおさらい 前回の動画では、Azure OpenAIのチャットプレイグラウンドを使い、RAG(Retrieval-Augmented Generation)によってデータを追加し、そのデータをもとに回答できるチャットボットを作成しました。さらに、作成したチャットボットをWebアプリとして展開し、正常に動作することを確認しました。 今回はその続きとして、同じ仕組みをCopilot Studioへ展開することを予告していました。 Copilot Studioへの展開を試してみた Azure OpenAIのチャットプレイグラウンドには、「Copilot Studioでの新しいコパイロット(プレビュー)」として展開するボタンが用意されています。このボタンを押すと、チャットプレイグラウンドで設定したデータを引き継いだコパイロットが作成されることが意図されています。 実際にボタンを押してコパイロットを作成し、動作確認を行いました。 検証結果:データ連携が機能しなかった 作成したコパイロットに対して、以下のような質問を投げかけてみました。 お は よ う ご ざ い ま す → 一般的な挨拶として返答が返ってきました。 比 正 彦 と い う 人 物 は ど の よ う な 人 物 で す か ? →「理解できません」という回答が返ってきました。 ...

March 24, 2025 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part9 - DALL-E プレイグラウンド

この動画では、Azure OpenAI入門基礎講座の第9回として、DALL-E 3を使った画像生成について解説しています。 Azure OpenAIが提供するプレイグラウンド機能を実際に操作しながら、テキストプロンプトから画像を生成する流れをハンズオン形式で体験できます。難しい実装コードを書く前に、まずプレイグラウンドで手軽に試せるのが大きな魅力です。 「どんなプロンプトを書けばイメージ通りの画像が生成されるのか」「Azure OpenAIでの画像生成はどのような仕組みになっているのか」といった疑問をお持ちの方に特におすすめの内容です。 画像生成AIをビジネスや開発に活用したい方は、ぜひ動画でその手軽さと可能性を確認してみてください。

March 24, 2025 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part10 - 入力候補プレイグラウンド

この動画では、Azure OpenAIの入門基礎講座Part10として、テキスト補完(入力候補)機能についてプレイグラウンドを使いながら解説しています。 Azure OpenAIが提供する入力候補機能は、与えたテキストの続きをAIが自動生成する強力な機能です。本動画では実際のプレイグラウンド画面を操作しながら、各種パラメーターの意味や調整方法をわかりやすく実演しています。「プロンプトを書いたら、どうAIが応答するのか」を視覚的に確認できるため、Azure OpenAI APIを初めて触る方や、チャット形式ではなくテキスト補完形式のAPIを活用したい開発者にとって非常に参考になる内容です。 シリーズを通じて基礎から丁寧に解説されているので、Azure OpenAIを業務に取り入れたいと考えているエンジニアの方はぜひ一度ご覧ください。

March 24, 2025 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part12 - 関数 Function Calling 前編

この動画では、Azure OpenAI入門講座Part12として、Function Calling(関数呼び出し)機能の基礎について解説しています。 Function Callingは、AIモデルが外部の関数やAPIを呼び出せるようにする強力な機能です。本動画ではFunction Callingの2つの代表的な使用パターンをわかりやすく紹介しており、実際にAzureポータルのアシスタントプレイグラウンドを使いながら実装方法を丁寧に説明しています。 「AIに外部システムと連携させたい」「Function Callingがどういう仕組みなのか理解したい」という方にとって、実践的な入門コンテンツとなっています。前編として基礎からしっかり押さえられる内容になっていますので、Azure OpenAIをこれから活用したい方はぜひご覧ください。

March 24, 2025 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part13 - 関数 Function Calling 後編

この動画では、Azure OpenAIのFunction Callingについて、実践的なユースケースを交えながら解説しています。 入門講座Part13の後編となる本動画では、実際のアプリケーション開発に役立つFunction Callingの実装例を紹介しています。具体的には翻訳機能や例文生成といったシナリオを取り上げており、どのようにしてAIモデルに外部関数を呼び出させるかをハンズオン形式で学ぶことができます。 Function Callingは、ChatGPTやAzure OpenAIを活用したシステム開発において非常に重要な機能です。モデルが自律的に適切な関数を選択・呼び出す仕組みを理解することで、より柔軟で実用的なAIアプリケーションの構築が可能になります。前編の基礎を踏まえたうえで、後編では実装の具体的なコードや動作確認まで踏み込んで解説しているため、Azure OpenAIを使って実際に何かを作りたいと考えている方にとって必見の内容です。

March 24, 2025 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part16 - Git for Windows インストール

Azure OpenAI入門基礎講座 Part16 - Git for Windows インストール この記事の内容 Azure OpenAI開発環境を整えるシリーズの最終回として、Git for Windowsのインストール手順を解説します インストール時のオプション設定について、デフォルトのままで問題ない箇所を確認します デフォルトエディターをVisual Studio Codeに設定する方法を紹介します インストール後に必須となる、ユーザー名とメールアドレスの設定方法を解説します Docker Desktop・Visual Studio Code・Git for Windowsの3つが揃い、Azure OpenAI開発の最小環境が完成します Git for Windowsのダウンロード Git for Windowsは公式サイトから入手します。Web検索で「Git for Windows」と検索すると公式サイトが表示されますので、そちらからダウンロードしてください。 ダウンロードが完了したら、インストーラーを実行します。 インストール手順 インストーラーを起動すると、いくつかの設定項目が表示されます。 インストール先の選択 インストール先のフォルダを確認する画面が表示されますが、デフォルトのままで問題ありません。そのまま「Next」で進んでください。 オプションの選択 各種オプションの選択画面が表示されますが、こちらもデフォルトのまま進んで大丈夫です。 デフォルトエディターの選択 デフォルトエディターの選択画面では、前回インストールしたVisual Studio Codeを指定しておくとよいでしょう。「Use Visual Studio Code as Git’s default editor」を選択してから「Next」をクリックしてください。 実際の操作でエディターを使う機会は少ないですが、せっかくVisual Studio Codeをインストールしているので設定しておきます。 以降の設定 残りの設定項目はすべてデフォルトのまま「Next」で進んでください。 インストールが完了したら「Finish」をクリックします。リリースノートは確認しなくても問題ありません。 インストール確認とユーザー情報の設定 Gitをインストールしただけでは、ユーザー名とメールアドレスの設定が済んでいないため、正しく使用できません。Visual Studio Codeのターミナルを使って設定を行います。 Visual Studio Codeの起動 Visual Studio Codeを起動します。よく使うアプリケーションですので、タスクバーに右クリックでピン止めしておくと便利です。閉じた後もすぐに起動できるようになります。 ターミナルを開く Visual Studio Codeのメニューから「Terminal」→「New Terminal」を選択してターミナルを開きます。 ...

July 20, 2024 · 2 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part15 - Visual Studio Code インストール

Visual Studio Code インストール方法 — Azure OpenAI入門基礎講座 Part15 この記事の内容 Visual Studio Code(VS Code)の公式サイトからのダウンロード方法を解説します インストール時に表示されるメッセージの意味と、適切な選択肢を説明します 追加タスクのおすすめ設定(エクスプローラー連携など)を紹介します インストール完了後の初回起動時の動作と、拡張機能のインストール方針を紹介します Visual Studio Code とは Visual Studio Code(以下 VS Code)は、ファイルを編集するためのテキストエディターです。非常に高機能で、開発作業において広く使われているツールです。これからAzure OpenAIサービスを使った開発を進めていくうえで、欠かせないツールとなります。 ダウンロード まずは VS Code の公式サイトにアクセスします。検索エンジンで「Visual Studio Code ダウンロード」と検索すると、公式サイトが見つかります。 公式サイトのダウンロードページには、OS ごとの選択肢が並んでいます。 Windows(Windows 10 / 11 向け) Linux 系 Mac Windows をお使いの方は、最も大きく表示されている「Windows 10, 11」向けのボタンをクリックしてください。ダウンロードが開始されます。 インストール手順 ダウンロードが完了したら、インストーラーを実行します。 起動時のメッセージについて インストーラーを起動すると、次のようなメッセージが表示されます。 このインストーラーはユーザーインストーラーです。管理者としてシステム全体にインストールするものではありません。 いきなり表示されると驚くかもしれませんが、このPCを使っている自分用にインストールする場合はそのままOKをクリックして問題ありません。 もし複数のユーザーが使うPCに全員用としてインストールしたい管理者の方は、一度キャンセルし、別途「システムインストーラー」を使用してください。通常の個人利用であれば、OKで進めましょう。 ライセンス同意 ライセンス情報が表示されますので、内容に同意してから「次へ」をクリックします。 インストールフォルダーの指定 インストール先として、ユーザーフォルダー配下のパスが自動的に設定されます。 C : \ U s e r s \ ( ユ ー ザ ー 名 ) \ A p p D a t a \ L o c a l \ P r o g r a m s \ M i c r o s o f t V S C o d e これは推奨の場所ですので、そのまま「次へ」で進めてください。 ...

July 17, 2024 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part14 - Docker Desktopインストール

この記事の内容 Azure OpenAI をプログラムから活用するための開発環境構築シリーズ、第1回目です Windows 11 のクリーンな環境に Docker Desktop をインストールする手順を紹介します Docker Desktop を使う理由として、環境差異によるトラブルを防ぐ目的を解説します インストール後の初期設定(WSL2 の選択、利用規約の同意など)についても説明します 次回は Visual Studio Code のインストールに進みます はじめに これまでのシリーズでは、Azure OpenAI のチャットプレイグラウンドやアシスタントプレイグラウンド、データの投入、コードインタープリター、ファンクション、パラメーターの設定など、Azure OpenAI サービスの基本的な使い方を学んできました。 今回からは、これらの機能をプログラムから活用することを目指します。既存のプログラムに Azure OpenAI の機能を組み込んで、AI 対応のアプリケーションを作っていく、という流れです。 プログラミングに不慣れな方でも取り組めるよう、基礎的な環境構築から丁寧に進めていきます。 Docker Desktop をインストールする理由 Python や各種ライブラリーをそのまま Windows 上にインストールする方法もありますが、以下のような問題が起きやすいです。 すでに Python がインストールされているかどうかが人によって異なる Python やライブラリーのバージョンが人によって異なる ライブラリー間の依存関係によって、動画の通りに手順を踏んでも動かないことがある Docker Desktop を使うと、コンテナと呼ばれる仕組みの中でプログラムを動かせます。コンテナの中は全員同じ環境になるため、「動画の通りにやったのに動かない」というトラブルを大幅に減らすことができます。 コンテナの詳細な仕組みについては別途解説動画がありますので、ここでは「便利な実行環境を用意してくれるもの」という理解で進めてください。 Docker Desktop のインストール手順 1. インストーラーのダウンロード ブラウザで 「Docker Desktop」 と検索し、公式サイトを開きます。 ページ上の 「Download for Windows」 ボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードします。Mac をお使いの方は Mac 向け、Linux をお使いの方は Linux 向けのボタンを選んでください。 2. インストーラーの実行 ダウンロードしたファイルを開くと、構成(Configuration)画面が表示されます。 ...

July 14, 2024 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part11 - アシスタントプレイグラウンド

Azure OpenAI入門基礎講座 Part11 - アシスタントプレイグラウンドを使いこなす この記事の内容 アシスタントプレイグラウンドは、チャットプレイグラウンドの機能を内包しつつ、さらに高度な操作が可能なアシスタントAPIを操作できる環境です アシスタントに「手順(システムメッセージ相当)」を設定することで、動作をカスタマイズできます コードインタープリター機能を有効にすると、AIがPythonコードを実際に実行して結果を返すことができます LLMは大きな桁の計算が苦手ですが、コードインタープリターを使うことでその弱点を補えます CSVファイルをアップロードしてデータ分析を依頼するなど、ファイルを扱った高度な活用も可能です アシスタントプレイグラウンドとは アシスタントプレイグラウンドは、Azure OpenAIが提供するアシスタントAPIを使って操作できる環境です。これまでのチャットプレイグラウンドでできたことに加えて、さらに高度な機能が利用できます。 なお、執筆時点ではまだプレビュー段階であることにご注意ください。 アシスタントの作成と基本的な会話 アシスタントプレイグラウンドでは、まず使用するデプロイとアシスタントの名前を設定します。名前を入力して保存ボタンを押すと、アシスタントが作成され、IDが付与されます。 作成したアシスタントに対して、そのまま会話することができます。ただし、何も設定していない状態ではチャットプレイグラウンドと同様の動作になります。 手順(システムメッセージ)の設定 アシスタントには「手順」を設定することができます。これはチャットプレイグラウンドのシステムメッセージに相当するもので、アシスタントの性格や目標を定義します。 例として、以下のような手順を設定してみます。 入 力 さ れ た 日 本 語 を 英 語 に 訳 し て 、 そ の ま ま 英 語 で 答 え て く だ さ い この状態でチャットをクリアして「おはようございます」と入力すると、「Good morning」と英語で返答が返ってきます。手順がきちんと反映されていることが確認できます。 この段階まではチャットプレイグラウンドと同様の動作です。ここからがアシスタントプレイグラウンドならではの機能になります。 コードインタープリターの活用 コードインタープリターとは コードインタープリターは、さまざまなファイルの種類やデータを処理・生成できるようにする機能です。具体的には、AIがPythonコードを実際に実行し、その結果を返すことができるようになります。 LLMの計算苦手問題を解決する LLMは数字の扱いが苦手で、計算を間違えることがあります。たとえば、以下のような計算を通常のチャットで試すと誤った答えを返すことがあります。 7 ( 4 正 8 解 9 : 0 1 × 4 9 2 7 8 = 0 ) ? コードインタープリターなしでは、LLMは確率的に回答を生成するため、大きな桁の計算では間違いが生じやすくなります。 ...

June 30, 2024 · 2 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part6 - データを追加する(RAG)

Azure OpenAI入門基礎講座 Part6 - データを追加する(RAG) この記事の内容 Azure OpenAI Studio のチャットプレイグラウンドに独自データを追加し、そのデータに基づいて回答するチャットボットを構築します いわゆる RAG(Retrieval-Augmented Generation)を、コードを書かずに全自動で構成する方法を解説します Azure Blob Storage・Azure AI Search・埋め込みモデルの3つのリソースを組み合わせる仕組みを理解します ベクトル検索・ハイブリッド検索・チャンクサイズなど、RAG特有のパラメーターの意味を学びます 動作確認を通じて、RAGの限界と精度チューニングの考え方を把握します RAGとは何か RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、LLMが元々持っていない独自の情報をドキュメントとして与え、そのドキュメントを参照しながら回答を生成する仕組みです。Azure OpenAI Studio のチャットプレイグラウンドには「データを追加する」という機能があり、この RAG 構成を全自動で組み立てることができます。 まず前提として、GPT-4 に対して「胡田昌彦という人物について教えてください」と質問すると、以下のような回答が返ってきます。 私 の デ ー タ ベ ー ス に は 胡 田 昌 彦 と い う 人 物 に 関 す る 情 報 が 含 ま れ て い な い よ う で す 。 つまり、GPT-4 はあらかじめ学習していない情報については答えられません。これに対して独自のドキュメント(今回は自己紹介の Word ファイル)を追加することで、その内容に基づいた回答が返るようになります。 ...

June 28, 2024 · 3 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part4 - パラメーターの理解

Azure OpenAI入門基礎講座 Part4 - パラメーターの理解 この記事の内容 Azure OpenAIのチャットプレイグラウンドで設定できる各種パラメーターを解説します 「最大応答トークン数」「温度」「停止シーケンス」の動作を実際の挙動とともに説明します 「頻度のペナルティ」「プレゼンスペナルティ」の役割と使い分けについて紹介します 各パラメーターがトークン消費量や応答コストに与える影響にも触れます プレイグラウンドで実際に試しながら自分に合った設定を見つける方法を説明します チャットプレイグラウンドのパラメーター概要 Azure OpenAIのチャットプレイグラウンドには、モデルの応答を細かく制御するための「パラメーター」設定が用意されています。今回はそれぞれのパラメーターがどのような役割を持つのかを、実際に動作を確認しながら見ていきます。 最大応答トークン数(Max Tokens) 最大応答トークン数は、モデルが1回の応答で使用できるトークン数に上限を設定するものです。デフォルトでは800に設定されていますが、この値を変更することで応答の長さを制御できます。 たとえば最大応答トークン数を「1」に設定して「おはようございます」と送信すると、応答は「お」の1文字で終わってしまいます。1トークンが必ずしも1文字とは限りませんが、非常に短い応答になることが確認できます。 逆に大きな値を設定すれば、長い文章でも最後まで応答が返ってくるようになります。 ただし、トークン数が増えるほど以下の点に注意が必要です。 課金額が増加する:使用トークン数に応じてコストが増えます 応答に時間がかかる:大きなトークン数は処理時間にも影響します 目的や用途に合わせてバランスを取りながら設定することが重要です。 温度(Temperature) 温度パラメーターは、モデルの応答のランダム性を制御する重要な設定です。 温度を低くする:応答がより決定論的になり、同じ質問に対して似たような回答を返しやすくなります 温度を高くする:応答にバリエーションが生まれ、毎回異なる表現や内容を返しやすくなります 温度を「0」に設定して「おはようございます」と何度か送信してみると、「おはようございます。今日はどんな1日になりそうですか?」のように毎回非常に似た応答が返ってきます。完全に同一にはならないものの、バリエーションが少ないことが確認できます。 温度を「1」付近に設定すると、「今日の予定は?」「今日も良い1日になりますように」など、0の場合と比べて異なる表現が返ってきやすくなります。 用途のイメージとしては以下の通りです。 温度 特徴 向いているケース 低い(0に近い) 安定・一貫した応答 FAQへの回答、ドキュメント生成 高い(1に近い) 多様・創造的な応答 文章作成、ブレインストーミング 停止シーケンス(Stop Sequences) 停止シーケンスは、モデルの応答を特定のテキストが現れた時点で打ち切る設定です。最大4つまで設定できます。 たとえば「。」(句点)や「!」(感嘆符)を停止シーケンスとして設定すると、モデルの応答はそれらの文字が登場する直前で終了します。「おはようございます!」という応答になりそうなところを、「おはようございます」で止めることができます。 この設定は、応答の形式を厳密に制御したい場合に活用できます。 頻度のペナルティ(Frequency Penalty) 頻度のペナルティは、すでに応答の中に登場した単語やフレーズが繰り返されることを抑制するパラメーターです。 値を高く設定することで、同じ表現の繰り返しを減らし、より多様な言葉を使った応答を引き出せます。温度を高めに設定しつつ頻度のペナルティも上げると、過去の応答と異なる表現で回答してくれる傾向が強まります。 「おはようございます」の例では、同じ質問を繰り返しても毎回異なるパターンで返答してくれるようになり、単調にならない会話が実現できます。 プレゼンスペナルティ(Presence Penalty) プレゼンスペナルティも頻度のペナルティと似た役割を持ちます。これまでの会話テキストに登場したトークンが再び使われる可能性を下げる設定です。 頻度のペナルティとプレゼンスペナルティは、どちらも「繰り返しを減らす」という点では類似していますが、内部的な働き方が異なります。両方を同時に大きく変化させると影響が複合するため、どちらか一方ずつ調整しながら動作を確認することをおすすめします。 パラメーターを組み合わせて試してみよう 各パラメーターの効果は、組み合わせることでさらに顕著になります。以下の組み合わせを試すと、バリエーション豊かな応答が得られます。 温度:高め(1付近) 頻度のペナルティ:高め 過去のメッセージ数:多め 逆に安定した一貫性のある応答が欲しい場合は、温度を低く(0付近)設定し、ペナルティ類も低めに抑えると効果的です。 プレイグラウンドは実際にパラメーターを変更しながらリアルタイムで動作を確認できる場所です。ドキュメントの説明と実際の動作が若干異なる場合もあるため、自分の目で確かめながら最適な設定を探してみてください。 まとめ 今回はAzure OpenAIのチャットプレイグラウンドで利用できる主なパラメーターを解説しました。 最大応答トークン数:応答の長さを制御する。大きくするほどコストと時間が増加する 温度:応答のランダム性を制御する。低いと安定、高いとバリエーション豊かになる 停止シーケンス:指定したテキストが現れた時点で応答を打ち切る 頻度のペナルティ:同じ表現の繰り返しを抑制し、多様な応答を促す プレゼンスペナルティ:過去に登場したトークンの再利用を抑制する これらのパラメーターを目的に合わせて使い分けることで、Azure OpenAIの応答品質を大きく向上させることができます。次回はプレイグラウンドのスピーチリソース機能についてご紹介する予定です。 ...

June 24, 2024 · 1 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part3 - チャットプレイグラウンド

Azure OpenAI入門基礎講座 Part3 - チャットプレイグラウンドを使ってみよう この記事の内容 Azure OpenAI Studioのチャットプレイグラウンドの基本的な使い方を解説します システムメッセージの役割と、AIへの指示の仕組みを理解します 会話の「記憶」を制御する「過去のメッセージ数」とトークンの関係を学びます セーフティシステムメッセージによる安全対策の方法を紹介します フューショットプロンプティングによる応答制御の例を紹介します Azure OpenAI Studioへのアクセス Azure管理ポータルからAzure OpenAIリソースに移動しても、そこから直接モデルと対話することはできません。実際に試したい場合は、Azure OpenAI Studioにアクセスする必要があります。 Azure OpenAI Studioを開くと、以下のようなプレイグラウンドが用意されています。 チャットプレイグラウンド アシスタントプレイグラウンド 入力候補プレイグラウンド DALLEプレイグラウンド これらはプログラムを書かなくても、ブラウザ上から手軽にモデルを試せる環境です。今回はその中からチャットプレイグラウンドを詳しく見ていきます。 チャットプレイグラウンドの基本操作 チャットプレイグラウンドを開くと、デプロイ済みのモデル(例:GPT-4 Omni)を選択して、すぐにチャットを開始できます。 テキストボックスにメッセージを入力して送信するだけで、AIから返答が得られます。Azure OpenAI ServiceのGPT-4Oは、ChatGPTのGPT-4Oと裏側で同じモデルが動いているため、同等の品質の回答が返ってきます。 チャットGPT Plusに課金しなくても、Azure OpenAI Studioのチャットプレイグラウンドで同様のチャット体験ができるのは大きなメリットです。 システムメッセージとは チャットプレイグラウンドの左側にはシステムメッセージという設定欄があります。デフォルトでは以下のような英文が設定されています。 Y o u a r e a n A I a s s i s t a n t t h a t h e l p s p e o p l e f i n d i n f o r m a t i o n . このシステムメッセージは、ユーザーのメッセージとは別に、すべての会話の先頭に自動的に送られる「裏の指示」です。通常のChatGPTではこのシステムメッセージは隠されていますが、Azure OpenAI Studioでは内容を直接確認・編集できます。 ...

June 21, 2024 · 2 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part2 - モデル展開

Azure OpenAI入門基礎講座 Part2 - モデル展開 この記事の内容 Azure OpenAI サービスのリソース作成手順を解説します リージョン選択の重要性と、モデルごとの対応リージョンの調べ方を説明します Azure OpenAI Studio を使ったモデルデプロイの手順を紹介します 標準デプロイとグローバル標準デプロイの違いについて解説します トークンレート制限やデプロイ名の設定ポイントも取り上げます はじめに この記事は Azure OpenAI 入門シリーズの第2弾です。前回(Part1)では Azure OpenAI の利用申請について扱いました。今回は申請が通ったことを前提として、実際にサービスおよびモデルの展開(デプロイ)を行う手順を解説します。 全体の流れを整理すると、次のようになります。 Azure サブスクリプション上に Azure OpenAI サービスを作成する 作成したサービスに対して モデル(GPT-4、GPT-3.5 Turbo など)をデプロイする Azure OpenAI サービスのリソース作成 Azure ポータルでの操作 Azure 管理ポータルにアクセスし、検索バーで「Azure OpenAI」と入力してサービスを選択します。すでに利用している環境がある場合はリソースが表示されますが、ここでは新規作成として進めます。 「作成」を選択したら、通常の Azure リソースと同様に以下の項目を設定します。 リソースグループ: 任意のリソースグループを選択または新規作成します リージョン: 後述する通り、非常に重要な選択肢です 名前: 任意のリソース名を入力します(例:ebisuopenai) 価格レベル: 現時点では「Standard S0」のみ選択可能です(従量課金) ネットワーク設定 ネットワークの設定では、以下の3つの選択肢があります。 選択肢 内容 すべてのネットワーク インターネット経由でどこからでもアクセス可能 選択したネットワークとプライベートエンドポイント Azure 上の特定のサブネットからのアクセスのみ許可 無効(プライベートエンドポイントのみ) 後からプライベートエンドポイントを作成して利用 セキュリティ要件が厳しい組織では下2つを選択しますが、今回の入門手順では「すべてのネットワーク」を選択して進めます。 リージョン選択の重要性 Azure OpenAI においてリージョン選択は、他のサービス以上に重要です。すべてのモデルがすべてのリージョンで利用できるわけではないためです。 ...

June 17, 2024 · 2 min · 胡田昌彦

Azure OpenAI入門基礎講座 Part1 - Azure Open AIの利用申請

Azure OpenAI入門基礎講座 Part1 - Azure OpenAIの利用申請 この記事の内容 Azure OpenAI Serviceはすぐに使えるわけではなく、事前に申請・承認が必要です 申請フォームには会社のメールアドレス・サブスクリプションID・会社情報などの記入が必要です 個人のメールアドレス(Gmail、Hotmailなど)では申請が拒否されます Microsoft MVPや独自ドメインを持つ個人事業主などは例外的に承認される場合があります 申請が承認されると、Azureポータル上の警告が消えてサービスを展開できるようになります Azure OpenAI Serviceとは Azure OpenAI Serviceは、MicrosoftのクラウドサービスであるAzure上でOpenAIのモデルを利用できるサービスです。現在はAzure AIサービスの一部として位置づけられており、Azure PortalのAI関連サービス群(Azure AI Services)の中に含まれています。 このサービスを活用することで、AIチャットボットの作成やAIを使ったアプリケーション開発が可能になります。 申請が必要な理由 Azure上の多くのサービスは、その場ですぐに使い始めることができます。しかしAzure OpenAI Serviceは、利用を開始する前にMicrosoftへの申請と承認が必要です。 Azureポータルでサービスの作成画面に進むと、以下のようなメッセージが表示されます。 Azure OpenAI Serviceはアプリケーションフォームをお客様に提供しています。選択されたサブスクリプションはサービスの使用に対して有効になっておらず、どの価格レベルにもアクセスがありません。 このメッセージが表示されている間は、サービスを展開することができません。まずは申請フォームから利用申請を行い、承認を受ける必要があります。 申請フォームへのアクセス方法 Azureポータル(portal.azure.com)にサインインします 検索バーに「OpenAI」と入力し、Azure OpenAIを選択します サービスの作成画面に進みます 表示されている警告メッセージ内のリンクをクリックします 「Request Access to Azure OpenAI Service」というフォームに遷移します 申請フォームの記入内容 申請フォームは英語で書かれています。翻訳ツール(ChatGPTなど)を活用しながら、正確に記入しましょう。 基本情報 項目 内容 First Name / Last Name 氏名 Company Email Address 会社のメールアドレス(個人アドレスは不可) Company Name 会社名 Company Address 会社住所(City、State、Zip Code) Country 国名(日本の場合は「Japan」) Company Website URL https:// から始まる会社のWebサイトURL Phone Number 会社の電話番号 サブスクリプション情報 申請したいAzureサブスクリプションの数(1〜3個)を選択し、それぞれのサブスクリプションIDを入力します。 ...

June 14, 2024 · 1 min · 胡田昌彦