RDPマルチパス登場!

RDPマルチパス登場!Azure Virtual Desktopの接続性がさらに向上 この記事の内容 RDP(リモートデスクトッププロトコル)に新機能「マルチパス」が追加されました 主にAzure Virtual Desktop(AVD)への接続をより安定・高速にする機能です 複数のネットワーク経路を動的に評価し、障害時の自動切り替えやパフォーマンス最適化を実現します ICE(Interactive Connectivity Establishment)技術を活用しており、特別な設定なしで自動的に機能します 現在はUDP接続のみ対応で、バリデーションリング環境での利用が前提となります RDPマルチパスとは リモートデスクトッププロトコル(RDP)に、接続の信頼性を大幅に向上させる新機能「マルチパス」が登場しました。RDP自体はWindowsへの接続全般で使われる技術ですが、現在最も力が入っているのはAzure Virtual Desktop(AVD)との接続です。このマルチパス機能は、AVDへの接続においてさらに信頼性の高い接続方法を提供することを目的としています。 主な特徴 シームレスな統合 特別な設定を行うことなく、バックグラウンドで自動的に機能します。利用者はこの機能を意識することなく、その恩恵を受けることができます。 動的なパス管理(Dynamic Path Management) これがマルチパスの核心となる機能です。現状ではUDPプロトコルにおいて(TCPはまだ未対応)、クライアントとサーバー間に複数のネットワーク経路が存在する場合、それらを動的に評価・管理します。 具体的には以下のような動作をします。 耐障害性の向上: 1つの接続経路がダウンしてしまっても、自動的かつスムーズに別の正常な経路へ切り替わり、セッションの中断を防ぎます パフォーマンスの最適化: 複数の経路を常に監視し続け、より高速な経路を発見した場合は自動的にそちらへ切り替えます 以前からRDPには「RDP Shortpath」という機能があり、より直接的で高速な単一経路を優先して使う仕組みがありました。今回のマルチパスはそれを発展させたもので、複数の経路を常に把握し続け、状況に応じて最適な経路へ動的に切り替える、より高度なフェイルオーバーと最適化を実現しています。 接続状況の可視化 現在の接続状況やパスの状態は、Azure Virtual Desktop Insights を通じて確認することが可能です。どの経路が使われているかなど、接続の詳細を可視化して把握できます。 どのように機能するのか RDPマルチパスは、ICE(Interactive Connectivity Establishment) という標準技術を利用しています。ICEは、WindowsクライアントとAVDホスト間で利用可能な複数の接続経路を動的に発見する仕組みです。 パブリックインターネット経由の経路や、より直接的な経路など、複数の候補を発見した上で、その中からパフォーマンスの高い経路を選択して通信を行います。また、使用中の経路が切断された場合も、別の経路へ自動的に切り替わります。 利用方法と条件 有効化の条件 この機能を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。 ホストプールを「バリデーションリング」に設定(タグ付け)していること 比較的新しいバージョンのリモートデスクトップクライアントを使用していること UDP接続が許可されたネットワーク環境であること 機能自体は自動的に有効化されるため、追加の設定作業は基本的に不要です。利用したくない場合は、ホストプールをバリデーションリングから除外することで無効化できます。 今後のアップデート 現状、RDPマルチパスはUDP接続のみに対応していますが、今後のアップデートでWebSocketやTCPでの接続にも対応する予定です。これにより、さらに多くのネットワーク環境でこの機能のメリットを享受できるようになります。 まとめ RDPマルチパスは、利用者が何も意識することなく、リモートデスクトップ接続をより安定かつ高速に保ってくれる機能です。1つの経路が切れても自動で別経路に切り替わる耐障害性と、常により良い経路を探し続けるパフォーマンス最適化を兼ね備えています。 特にAzure Virtual Desktopのようなクラウドベースのデスクトップ環境では、ネットワークの信頼性が生産性に直結します。現時点ではバリデーションリング環境でのUDP接続が前提ですが、今後TCPやWebSocketへの対応も予定されており、より多くの環境で活用できるようになることが期待されます。AVDを利用している方は、ぜひバリデーションリングの設定を確認してみてください。

June 12, 2025 · 1 min · 胡田昌彦