個人アカウントと組織アカウント

マイクロソフトのクラウドサービスを利用しようとしたり、クラウドプラットフォーム上でIDを作成、管理しようとしたり、Windows 10をセットアップしようとしたときにまず1番最初に混乱するのが「個人アカウント」と「組織アカウント」の違いだと思います。両方の種類のIDが使えるサービス、片方のIDしか使えないサービス、両方のIDが使えるんだけど、実は領域が別れているサービスなど、多種多様な状況です。私自身かなり長期間に渡って苦しめられてきたというのが正直な所です。 少々技術的に細かい話にもなってしまいますが、しっかりと説明してみたいと思います。 なお、私個人のおすすめは「使える所は全て組織アカウントで統一する」です。 (2021/09/29追記)動画で改めて解説しました YouTube の動画にて改めてこのテーマをまた別の角度から解説しました。ブログ記事と合わせてご覧ください。 https://youtu.be/s1Rm7M2tMAg (2021/09/19追記)Windows 11, Windows 10の両方をカバーし、さらに管理者側の話にも踏み込んだYouTube動画を作成しました本エントリは解説の角度が違いますので、両方見ていただくとより理解が深まります。是非動画も本エントリも両方ご覧いただければと思います。 https://youtu.be/zC5n5S6wfH8 **(2019/06/30追記)**Windows 10の初期セットアップで「個人用に設定」「組織用に設定」のどちらを選択したらいいのか?このページから「Windows 10の初期セットアップで「個人用に設定」「組織用に設定」のどちらを選択したらいいのか?」という質問があまりにも大量に寄せられるので、Windows 10の初期セットアップに特化した解説動画を作成しました。 Windows 10の初期セットアップにお困りの方は下記動画をご覧いただければと思います。 ※動画を見ていただければ初期セットアップは完了できると思います。あとでこのエントリの残りの文章も読んでいただけるとより深く理解いただけると思います。 (2020/02/19追記)Windows 10再インストール手順このページを見たから「『個人用に設定』と『組織用に設定』を間違って設定してしまったがあとから変更できますか?」という質問を数十回単位で質問頂いています。色々とやり方はあるのですが、基本的に「データをすべてクラウドに置いておいた上でWindows 10を再インストールしてしまう」という方法が非常におすすめです。その方法を動画で解説しましたので、是非御覧ください。 歴史的経緯まず最初にこの話には歴史的経緯があるのだということを認識しておくのがおすすめです。そして、特に「Azure」関連で度々の仕様変更があり、それが複雑さに拍車をかけています。具体的には当初、「個人アカウント」でしかAzureの管理ができない時代がありました。 ですが、その後、Office 365の普及=Azure ADの普及=「組織アカウント」の普及に伴って、Azureの管理がどんどん「個人アカウント」ではなく、「組織アカウント」で行うべきものに変化してきました。 この影響を受けて個人アカウントと組織アカウントの混在や、役割の変化、ドキュメントによって言っていることが違う…等の混乱を生むことになった…というのが私の理解です。 ですので、過去のドキュメントを見る時にはこのあたりも注意してもらうのが良いと思います。 注意:このあたり人によっては全く違う見解、意見を持っているかとは思います。石を投げないで下さい。 個人アカウント=マイクロソフトアカウント 組織アカウント=Azure Active Directoryのアカウント=Office 365のアカウントまず一番最初に理解すべきことは、個人アカウントが「マイクロソフトアカウント」であり、組織アカウントは「Azure Active Directoryのアカウント(=Office 365のアカウント)」であるということです。それぞれは「誰が管理者なのか」という点で明確に大きな違いがあります。 「個人アカウント=マイクロソフトアカウント」は個人が勝手に作成できるマイクロソフトアカウントは以下のURLから作成できるアカウントです。 - [https://signup.live.com/](https://signup.live.com/) 無料で作成できるにもかかわらずメールアドレスを取得し、outllok.comでメールの送受信をおこなったり、OneDriveでオンラインストレージを保有し、PCとも同期ができてしまうような非常にお得なアカウントです。 新規にxxx@outlook.com, xxx@outlook.jp, xxx@hotmail.com等のメールアドレスを取得してアカウントを作成することも、すでに自分が利用しているメールアドレスをつかってアカウントを作成することもできます。 マイクロソフトアカウントはWindows 10とも統合されており、マイクロソフトアカウントでWindows 10にログインすることもできます。他にも様々なマイクロソフトのクラウドサービスにて使用することができるアカウントになります。 無料で作成できるアカウントにもかかわらずメールもオンラインストレージもついてくるなんて本当にいい時代になりましたね。(マイクロソフトアカウントに限らずの話ですが) このマイクロソフトアカウントの最大のポイントは**「個人が勝手に作成できる個人利用のためのアカウント」**という所です。単純にインターネット接続とブラウザだけあれば簡単にマイクロソフトアカウントが作成できます。誰かに承認を得る必要もなければ、組織でコンセンサスを取る必要もありません。作成したければいくらでも勝手に作成できます。 マイクロソフトアカウントはあくまでも個人が自分で作成したアカウントであるという位置づけです。ですから、マイクロソフトアカウントに登録してある情報を編集しようと思っても、それができるのはあくまでも本人だけです。だれか管理者に頼んでパスワードをリセットしてもらったり、メールアドレスを追加してもらったり…というようなことは発生しませんし、他の人にはできません。 ※組織の管理者によって従業員ひとりひとりのマイクロソフトアカウントを作成して配布する…というような運用をされているところがあってもおかしくありません。ですが、このような運用は本来意図されているものではなく、やめたほうが良いでしょう。(規約をよく読むと禁止されている事かもしれません。) 「組織アカウント=Azure Active Directoryのアカウント=Office 365のアカウント」は管理者が作成する組織アカウントは別の呼び方としては「学校および職場のアカウント」と呼ばれます。つまり学校や職場等の組織において作成、利用されるアカウントです。このアカウントは組織的に作成、利用されますので、勝手に個人が作成することはできません。きちんと管理者がネーミングルールや各種セキュリティポリシーを設定しつつ、入学、入社等のタイミングで作成し、利用者に払い出す形となるのが通常です。 これはまさに、オンプレミス時代のActive Directoryのアカウントを想像してもらえれば良いと思います。ドメインの管理者が全体に対して権限を持ち、管理をしていました。それのクラウド時代のクラウド上のアカウントの呼び方が「組織アカウント」なのです。 この「組織アカウント」は実体としてはAzure Active Directory上のアカウントになります。 あえてそういう呼び方はしませんが、オンプレミスのActive Directory上のユーザーアカウントも分類するなら個人アカウントではなく、組織アカウントと考えられますね。 こちらも最大のポイントは「管理者が作成、管理するものであり、個人では勝手に作成できない組織のためのアカウント」という所です。 Windows 10も進化が進み、新しいバージョンでは直接組織アカウントを使ってWindows 10にログインすることができるようになっています。 組織アカウントはマイクロソフトのクラウドサービスを組織で利用する時に必要となる組織アカウントはマイクロソフトのクラウドサービスを組織で利用する時に必要となります。実はマイクロソフトのクラウドサービスの出始めのころは「組織アカウント」という呼び方も「Azure Active Directory」もほぼ説明されていませんでした。 Office 365の前身のBPOSというクラウドサービスのときには単にBPOSに対してIDを作成する、IDを同期するという概念だったと記憶しています。(※昔のことなので記憶違いかもしれません。) ...

April 26, 2018 · 2 min · 胡田昌彦